原田要と永遠の0から見る元零戦搭乗員の講演会が重い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

元零戦パイロットの原田要さんが
多臓器不全のため逝去されました。

元零戦搭乗員として最後の生存者であり
戦後は反戦を訴えた原田要さん。

賛否両論のある作品、永遠の0に関して
原田要さんは肯定的意見をとっています。

反戦を訴えた原田要さんが
なぜ永遠の0に肯定的な評価を出していたのか。
今回はそこについてみてみましょう。

今回は永遠の0のネタバレがあります。
まだ見ていない人は注意をしてください。

■【ネタバレあり】永遠の0とはどんな作品か

実の祖父が特攻で戦死した海軍航空兵だということを知った主人公達が
新聞社主催の終戦60周年記念プロジェクトのアシスタントを通じて

特攻隊員であった実の祖父の人となりを調べるが
生前の実の祖父の人物像が人によって違い
臆病者とまで言われていたことがわかる。

しかしその臆病者であるはずの実の祖父が
なぜ特攻隊に志願したのか。その理由を探した結果
臆病者と言われるほど命を大事にしていたのは
娘に会うまで絶対に死なないという妻との約束を果たすため

しかし特攻隊のパイロットの教官であるという立場なのに
部下だけを死地に送り込み自分だけ生きていていいのか
そう考えるようになり、自分も特攻隊に志願。

そして出撃日には自分の零戦と部下の零戦を交換。
自分の零戦はエンジンの不良があり
それに搭乗した部下はエンジン不良で帰還。

実の祖父は帰らぬ人となり
生き延びた部下は主人公の今の祖父だった。

■なぜ賛否両論なのか

まずこういう作品にはどうしても
批判がつくのは仕方ないと思います。
どのような肯定的な評価と
否定的な評価があるのかを見てみましょう。

■批判的な意見

■かわいそうというセンチメントだけで読まれている
■文学としての価値は極めて低い
■負けた戦争なのに神話の捏造を続けようとしている
■特攻隊を美化している
■日本を侵略者ではなく被害者としての描写(アメリカ海軍の批判)

文学の巧拙と実際に戦争で対立したアメリカ海軍の意見は
今回は関係ないので除外するとして
つまりは批判は戦争・特攻隊を美化しているという意見ですね。

■肯定的な意見

■零戦や操縦士の監修レベルが高い
■実際に零戦にのった原田要は主人公と戦友を重ねた
■家族のために生きて帰ることの愛を感じた
■国家のために個人が命を捨てさせられる非情さも書かれていて
単純な戦争賛美ではないとの評価

上記2つの評価は元零戦搭乗員の笠井智一と原田要です。
実際に零戦に乗ったことがある人の意見ですからとても重い。
原田要は自身も特攻を拒否した経験がありますしね。

■原田要と永遠の0

永遠の0を読み、原田要はその作者である
百田尚樹と実際に会いました。

原田要の読んだ永遠の0にはおびただしい数の付箋。
ところどころに主人公のモデルとなったのではないか、と
原田要が感じた戦友の名前が
書かれているぐらい読み込まれているほど。

そして永遠の0の主人公と同じように
自身も真珠湾攻撃の直前に結婚しているなど
まるで自分のことか、いや、あの戦友のことか
と思うほど感じ入ったとのこと。

■原田要の講演会

原田要の講演会では徹底して反戦を訴えています。
戦争の中にも仲間との結束や思い出としては
いいと思えることも少しはあったけれど
そこを話すと戦争賛美になってしまう。

それに結局いいことの何十倍もあとから悪いことが
押し寄せてくるとおっしゃりました。

代表的なものですと
戦地では平時とは傷病者の手当の優先順位が逆です。

軽傷者ならすぐにてあてすれば
まだ戦えるので優先されますが
重傷者は手当してもすぐには
戦えないため後回しにされます。

仕方のないこととはいえ
このようなことが当然のように
行われてしまいますからね…。

日本を代表し、日本を守るんだという誇りと
犠牲的精神で戦ったが人間として最悪の仕事だった。
動物的な感覚で反省している。
なので次世代の人にはこのような感覚を味あわせたくない。

以上のようなことを講演会でおっしゃっていました。

■おわりに

原田要は戦争で実際に死を目前にすると
独身のものは母親。結婚しているものは
家族を考えると明言をしています。

これは永遠の0の主人公と同じかもしれません。
そのため感じ入るところがあったのでしょう。

しかし永遠の0は戦争賛美だと批判されているのに
反戦を訴える原田要が肯定的なのがちょっと意外ですよね。

つまりは反戦であることと
戦死者に敬意を表すことは両立する
のですが

実際に戦争に行っていない世代ですとそこが
イコールになってしまうということなのでしょうか。
そこのあたりが原田要の考えとは違い
歪曲されて伝えられてそうで残念でなりません。

原田要さんのご冥福をお祈りします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA