香川県のゲーム依存防止条例が可決か。パブリックコメントに議論も

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ゲーム依存症を防ぐために条例制定を目指している香川県議会。ゲームの利用を1日60分とする条例案を提出する見通しとなって大きく話題となっていました。。

この時にネット上などでは香川県のゲーム依存防止条例には多くの批判があったものの蓋を開ければ意見公募(パブリックコメント)ではなんと8割以上も賛成。この結果には疑問もありましたが一部ではパブコメの募集方法がおかしいとの声も…。

香川県のゲーム依存防止条例

近年大きく話題となっているゲーム依存症。2019年5月に世界保健機関(WHO)がゲーム障害を依存症として認定するなど、日本だけではなく世界的にも注目をされています。

そんな中で香川県についてもゲーム依存症について対策をすることを求められ、2019年9月に検討委員会が発足。香川県はゲーム依存症を防止するために条例制定をしようという動きを見せました。

2020年1月20日に香川県はこのゲーム依存を防止するための条例の素案として主に以下のようなものが公表されて大きく話題に。

  • ゲームとはネットゲーム、及びコンピュータゲームのこと。
  • 子供は18歳未満の者。
  • ゲームの利用は平日1日60分。休日は90分。
  • 義務教育修了前の子供は21時まで。それ以外の子供は22時までに使用を禁止。

香川県のゲーム依存防止条例は可決へ向かうが…

2020年1月20日に条例の素案が公表されてその後この条例について意見公募がされました。この期間については2020年1月23日から2月6日。ネットでは「家庭内の問題を条例で制定するのはいかがなものか」などと多くの批判が。そして実際に1月31日には香川県の男子生徒が条例案の撤回を求めて600人の署名も提出するという動きもありました。

そのため香川県のゲーム依存防止条例については否定の声が多いだろうと予想されたものの2020年3月12日の検討委員会ではパブリックコメントでは条例素案への賛成が8割以上を締めたと報告。この結果には驚きの声が…。

香川県議会はこのパブリックコメントでの賛成8割以上を県民の支持を得ていると捉えてゲーム依存防止条例2020年3月18日に採決する方針であるとコメント。

パブリックコメントについて

パブリックコメントとは条例などの素案を公表して国民の意見を募集して実際の反応を見るというもの。今回の香川県のゲーム依存防止条例へのパブコメについては主に以下のような内容となっています。

  • 募集期間:2020年1月23日~2月6日
  • パブコメに意見を提出できる人物:香川県内に住所を有する人物。もしくはゲームの揮発事業者など(詳しくはパブコメ素案11条の事業関係者)
  • パブコメ提出方法:郵送・持参、FAX、電子メール。偽名による応募は無効。

パブリックコメントの内訳

香川県議会によるとパブリックコメントの内訳は主に以下の通り。

  • 意見を寄せた県民:2613人
  • 賛成:2268人
  • 反対:333人
  • 意見を寄せた県内外の団体:73
  • 賛成:1団体
  • 反対:68団体

個人でも事業者でも賛成と反対の数が合わないのが気になるところ。明確に賛成と反対の意見を出さなかったということなのでしょうか。また、個人では賛成が圧倒的多数ですが主にゲームに関係する事業者は反対が圧倒的多数。

真偽は不明もパブコメに組織票?

このようにネットの声と公表されたパブコメには乖離がみられます、この事について実は少しだけ気になる情報が。それがこちら。ねとらぼがツイートをしていますが香川県のゲーム依存防止条例のパブコメについての意見。

上記ツイート画像はプライバシーに配慮されてモザイク処理されていますが、読み取れるのは以下のような内容でした。

  • 香川県内の会社に勤めている者。
  • 会社の上司から「ネットゲーム依存症対策条例に賛成のパブリックコメントを送るので名前を貸してくれ」と言われた。
  • 社内の多くの人が「賛成します」と書かれた雛形に名前や住所を記入。

真偽については不明ですがねとらぼのツイートによると「香川県内の消印であることは確認」しているとの事。現在裏付けが取れない状態であるためにこの事が本当であるかを調べるために情報収集をしている様子。

香川県議会議員・高田よしのり的にはガチャ規制が目標?

香川県のゲーム依存防止条例の本当の狙いについて香川県議会議員であり、条例検討委員会の一人である社民党の高田よしのりはブログにて問題を理解してもらえないと嘆きを投稿。

少なくとも高田よしのりはゲーム依存症というよりは「子供が射幸性が高い課金システム(いわゆるガチャ)」を問題視しています。

そのため本来は時間規制について「課金を伴うオンラインゲームの利用」と決め打ちで書きたかったものの、そうすると企業活動の妨害となるために回りくどい書き方になってしまったとのこと。あくまでも高田よしのり個人の考えであり香川県議会の総意ではないという事は書いていますがゲーム依存症というよりはガチャを問題視。

しかし書いてないことが本来の狙いであったとすると香川県のゲーム依存防止条例は意味がないような。明記してることを遵守させるのが法令であるのに本来の目的は違うとなると恣意的な運用と言えるような…。

個人的には確かにガチャはもう少し手を入れたほうが良い気はしますが、それを決め打ちできずに対象を広くぼかしたせいで大きく反発されている印象。素案に書かれてなければ普通はわかりませんて。ゲームに限らず趣味に没頭したら1時間なんてあっという間ですしね。

というか私がやっているいくつかのソシャゲのうち一つは無課金でも時間をかければ問題なくできるというものなんですよね。逆に時間がないなら時間効率を良くするために課金をしなければいけないという性質。ガチャ規制をしたいのなら時間規制よりも金額規制をした方が良かったのでは。

実際に中国では年齢によって1ヶ月の課金額が決まっています。更には時間についてもネットゲームのプレイ時間は1日90分、休日は3時間までという規制が存在。