仮想通貨の銘柄は日々増え続けていますが、次々と登場するコインに目移りしてしまい、購入する銘柄を迷っている方は多いのではないでしょうか。中でも注目されるのが、将来性や技術的な特徴を備えた新しい仮想通貨です。ファイルコインは2014年以降、先進的なデータ管理技術により注目を集めましたが、現在の状況はどのようになっているのでしょうか。
こちらの記事ではファイルコインはもう終わったのか、また今後の見通しについて解説していきたいと思います。
ファイルコインの基本情報
ファイルコインは現在、日本の多くの取引所でも取り扱われています。
ファイルコインを売買する前に知っておきたい基本的な情報をまとめてみました。
コード | FIL |
作成者 | フアン・ベネット(Proto col Labs社 ) |
リリース | 2014年7月 |
発行開始 | 2020年10月 |
発行上限 | 2,000,000,000FIL |
承認方式 | Proof of Storage |
ファイルコインの特徴
ファイルコインの特徴はなんといってもInter Planetary File System(IPFS)といわれる分散型ストレージネットワークシステムの開発に関わり、その技術が利用されている点です。
ファイルコインの作成者フアン・ベネットは、出身校のスタンフォード大学と共同研究を行い、データを分散させて保存する技術を開発しました。この技術によりデータの容量を広げ、ハッキングの被害やデータの損失のリスクを減らす事に成功しています。また、データ容量を提供した企業、団体、個人は報酬としてファイルコインが提供されています。
ファイルコインの主な動き
ファイルコインの今後の見通しを見ていく前に、ファイルコインのリリースから現在までに話題となった動向をチェックしていきましょう。
- 2014年:Proto col Labs社がIPFSの拡張プロジェクトとしてファイルコインを発行。
- 2017年:ICO(新規仮想通貨公開、トークンセール)で約2億5700万ドルを調達し、当時のICOでは最速、最大規模とされる。
- 2020年:取引所でFILの発行を開始。
- 2021年:1FIL約237ドルを記録。
- 2023年:Filecoin Virtual Machine(FVM)実装し、ネットワーク上でスマートコントラクト(一部契約の自動化)開始。
- 2024年:仮想通貨ソラナとの提携を発表。
ファイルコイン今後はどうなる
ファイルコインは2022年後半から2025年にかけて1FIL3ドル台から8ドル台で推移しています。2021年に1FIL約237ドルまで大きく高騰後、2022年前半には10ドルを下回るまで下落したためファイルコインは終わった、と思われている方もいるかもしれませんが、現在では比較的価格が安定している銘柄という印象です。
最近では、温室効果ガスの削減を目指すファイルコイングリーンと呼ばれる取り組みが始動しています。従来の仮想通貨はエネルギー消費が激しく環境への負荷が懸念されていますが、環境問題への取り組みに関しても先を進む存在となっています。
分散型データストレージの草分けとしての地位は確立していますが、アーウィーブ(AR)やストージ(Storj)などの分散型データストレージを特徴とする競合が台頭してきており、今後の競争は激しくなっていく可能性があります。
まとめ
ファイルコインは単なる仮想通貨という存在だけでなく、長期的な価値を持つデジタル資産として、世界が直面する課題を克服するプロジェクトとしての大きな一面も持っています。データ容量や環境に対する課題を技術で克服していく存在として発展し続けていけるかどうかが今後の成長の要となりそうです。
今後も新しい技術の展開に期待し、競合との差別化の動きに注目していきたいと思います。