小籔千豊が厚生労働省の人生会議のポスターで批判をされて沈痛を表明。人生会議は乱暴に言うと不慮の事故などで意思疎通ができなくなった場合もあるため事前に話し合っておこう、といったことを啓蒙する活動。
しかし卵巣がん患者の支援団体などが小籔千豊の人生会議のポスターを批判。その結果厚生労働省はポスターを貼るのを取りやめ。現在は厚生労働省のページからも削除されています。しかし小籔千豊は母を亡くしておりそのことに後悔をしているという話がありそれを「プリン」という歌の歌詞にも載せています。
小籔千豊はポスターが批判されたことにより「責任を感じる」など沈痛。しかしプリンの歌詞、エピソードを知っている人からは小籔千豊に同情的な声が多数。今回は小籔千豊のポスター「人生会議」がなぜ炎上したか。そして小籔千豊のプリンのエピソード、ポスターのことで沈痛したことについてみてみましょう。[affi id=4]
人生会議について
小籔千豊の人生会議のポスターが公開されたのは2019年11月25日。どのような経緯で作成されたかというと、厚生労働省は人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)を普及したかったため。
人生会議はもしものときのため、人生の最終段階における医療・ケアについて前もって考えることをもっと身近なものとして考えておこうという取り組み。厚生労働省はアドバンス・ケア・プランニングという名前が語っ苦しいため、馴染み深い言葉にしようと一般公募。2018年9月に一般公募で公募を開始。
1073件集まり2018年11月30日に「人生会議」と決定しました。ちなみにこの日は「いい看取り・看取られ」の日であり「人生会議の日」として考える日と決定。また、人生会議のロゴも公募で決まっていました。
実はもともと小籔千豊はこの「アドバンス・ケア・プランニング」の愛称の選考委員に選出されていました。小籔千豊は選考委員の話を受けた時「プリン」という歌の活動と想いが通ずると考えて賛同したと明かしています。
小籔千豊はその縁で今回炎上して回収騒ぎになった人生会議のポスターに映ることになりました。プリンの歌詞やエピソードは後述。また、人生会議という愛称を決定した選考委員のメンバーは以下の通り。
- 脚本家・小山薫堂
- 日本医師会副会長・松原謙二
- お笑いタレント・小籔千豊
- サントリーホールディングス代表取締役社長・新浪剛史
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小籔千豊の人生会議のポスター
出典:厚生労働省HP(現在は削除済み)
小籔千豊の人生会議のポスターは2019年11月25日に公開。現在は厚生労働省のツイッター、公式サイトからは削除されていますがツイッターでは以下のように紹介されていました。
【「#人生会議」のPRポスターを作りました!】
「人生の終わりまで、皆さまは、どのように過ごされたいですか?」人生会議の取り組みの一環として、#小籔千豊 さんを起用した、普及・啓発ポスターなどを作成しました。全国の自治体などに掲出されます。
小籔千豊のポスターに書かれている言葉は以下の通り。
まてまてまて
俺の人生ここで終わり?
大事なこと何にも伝えてなかったわ
それとおとん、俺が意識ないと思って
隣のベッドの人にずっと喋りかけてたけど
全然笑ってないやん。
声は聞こえてるねん。
はっず!
病院でおとんのすべった話聞くなら
家で嫁と子どもとゆっくりしときたかったわ
ほんまええ加減にしいや
あーあ、もっと早く言うといたら良かった!
こうなる前に、みんな
「人生会議」しとこ
この小籔千豊の人生会議ポスターが炎上してしまうことに…。[affi id=4]
ポスターの炎上
小籔千豊のポスターは炎上。何故炎上したかというと大別すると「画像に違和感がある」「家族のことや患者のことを考えているのか」といったもの。また、他にも「関西弁はふさわしくない」「お笑い芸人を使うのは駄目」「グロテスクなポスター」というものも…。
#人生会議(ACP)
人生の終末期をどう迎えるかを、元気なうちに考える事は日本人には必要。だが、厚労省ホームページから添付した画像には違和感がある。
誤解や不安、あるいは遺族の気持ちを傷つけやしないか?なぜ厚労省が吉本興業などに事業委託したのか不思議だ。
→ https://t.co/TD9AeAl8qq pic.twitter.com/31wis74U8d— Dr. Hisacchi (@DHisacchi) November 25, 2019
最悪。
人生会議(ACP)の厚労省作成のポスターだそうな。
これで将来のこと話し合いたいと思う?
怖がらせてどうする?
話し合いということをイメージさせなきゃどうする? pic.twitter.com/KKMBYrHrW2— 二刀流の緩和ケア医 廣橋猛 (@hirohashi_med) November 25, 2019
もう一度載せておきたい。こんな無神経なポスターを作った厚労省の勧める人生会議などに乗ってはいけない。心電図が平坦になり命が終わる時、それを見守る家族がどんな思いか、身近に死を看取ったことのある人なら解るはず。ただ寄り添って送って欲しいと患者や家族は思うだけhttps://t.co/8fCySXS3fK
— あべともこ(衆議院議員・神奈川12区・立憲民主党) (@abe_tomoko) November 27, 2019
また、正式に抗議をしたのが卵巣がん体験者の会「スマイリー」など2件のみ。しかし抗議を受け止めて啓発ポスターの自治体への発送は中止。
また、吉本興業と契約をして4070万円であったことも話題になりました。とはいえ人生会議の動画なども撮っており、そのあたりも含めていると考えるのならかなりの大人数が動いていますし高いかどうかはコレだけでは判断できません。
広告費ってだけでかなり高いですし。小籔千豊本人も4070万円というのは知らなかったようで驚いてもいました。実際に小籔千豊はCMで色んなパターンも入っていて「ポスターだけで4070万円じゃない」「しかもまだもらってなくて」などと語っていました。[affi id=4]
小籔千豊のプリン
小籔千豊は今は亡き母親・英津子さんへの思いを「徹子の部屋」で語ってもいますしプリンという歌の歌詞にも示しています。小籔千豊は2013年7月4日放送の「徹子の部屋」に出演。その時に母親のエピソードを主に以下のように語りました。
- 小籔千豊が吉本新喜劇の座長就任前に母親が悪性リンパ腫にかかった。
- 母親は一年以上の闘病生活の末に亡くなった。
- 母親は入院する前に「入院するわ」「一応言うとくわ」と軽く報告。
- 普段サバサバしている母親の発言に違和感を漢字父親に確認するともう長くないことを肯定。
- 小籔千豊は「母親に愛されてる」と感じたことはなかった。
- しかし入院中、モルヒネを投与されて意識が朦朧としていた母親が何度も同じ言葉を繰り返していた。
- ようやく聞き取れたのは「ヘリコプター良かったなあ」だった。
- 小籔千豊は子供の頃に大阪上空一周5000円というヘリコプター遊覧飛行に興味。
- 母親はクリスマスにプレゼントも買わない、お年玉を渡さない方針で秋タメた。
- しかし母親は小籔千豊にヘリコプターを勧めた。
- 普段の母親の行動から訝しみ遠慮をするも無理やり乗せられた。
- 病床での母親の言葉で母親の想いをやっと理解し、今まで愛されていないと思っていたことを後悔した。
- 母親が亡くなる4時間前に「プリン食べたいわ」と言ったのでデパートに駆けつけた。
- 時間がギリギリで閉店準備をしていたものの無理をいってプリンを買った。
- プリンを買ってきたが母親は「もう、しんどいし食べられへんわ」と答えて結局プリンは食べずに亡くなった。
- 小籔千豊は母親の好物がプリンだと知ってた。
- でも今まで1回も買ってこなかった。
- 死ぬ直前に言われてようやく買ってきたけどもう食べられないほど弱ってた。
- そのことを今でも後悔している。
- 親はいつ死ぬかわからない。
- だから芸人仲間にも親孝行するのを勧めている。
- これは自分が後悔しないためでもある。
このようなエピソードを踏まえて2008年2月には「プリン」というCDを発売。
実際に小籔千豊はプリンの歌詞で「もっと早く買うてきたらよかったな」などと明かしています。
小籔千豊が沈痛
小籔千豊はもともとプリンのエピソードを見てもわかるように「人生会議」の理念とまさに一致している考えを持っています。
家族とよく話し合わなかったために後悔をしており、自分みたいに後悔してほしくないということで講演活動も行うほど。しかし小籔千豊は人生会議のポスターで炎上したことで沈痛。以下のようにコメントをしました。
- 抗議文を見せてもらった
- グロテスクなポスターと言われたが、僕しか映ってないから僕が引き受けなければよかった
- たぶん僕というあまり好かれていない、好感度のない、関西弁の芸人がやったことへの批判もあると思う
- 引き受けさせていただいたことが本当に厚かましかった
小籔千豊のポスターに対する沈痛コメントに対して小籔千豊本人は悪くないと意見が多い印象。実際に小籔千豊がポスターのレイアウトや文面を考えたのならともかく、そんなわけはないでしょうし。[affi id=4]
小籔千豊の沈痛などに関するネットの感想
今回の小籔千豊のポスター炎上に関してはなんとも不思議な印象。死を連想させるために不謹慎だという批判もありますが、そこをタブーにして一切話し合わないと後悔しますよね。
人生会議のポスターは病気か事故かは書かれていませんし、いつ誰に起こるかわからないことです。いざ自分や親しい人が命の危機に瀕した時、どうしてほしいかを話し合うのは重要だと思うんですよね…。それにぶっちゃけある程度インパクトがないとポスターなんて誰も見ません。小籔千豊のポスター炎上、小籔千豊本人の沈痛に対する感想はこちら。
- 小籔さんになんの落ち度もない。もしこれが不適切なら、責任負うのはゴーサイン出した担当者。吉本批判もあるが、最終的に決定権あったのは誰か。そこが出て来て矢面に立つべき。
- 人間、いつ死ぬかわからないのだから、日々生きることといつかは死ぬことは真剣に考えていかなければいけない人生のテーマです。
- がん患者の不安を煽るって意味不明。人は必ず死ぬんだから、その準備は必要。
- 小藪好きじゃないけれど、この件で彼が批判されるのはおかしいと思う。厚労省のセンスと配慮が無いということを批判するならわかるけれど。
- この件がニュースになって、夫と2人で「もし植物状態やなんかで医療費ばかり嵩むような状態になったら、延命治療はやめよう。その金で残された家族で生きよう」と話しました。
- 取材で「話し合わなきゃいけないような強制的なものを感じた」というような事を話していた方がいたんだけど、人によってはそう感じるんだなあ。
- これでは、反対やクレーム言ったもの勝ち。厚労省もこれでいくって決めたのなら、このポスターに込めた意図や思いを、世の中に自信をもって発信すればいい。
- 文句言っている人がいたとして、じゃあどうやって啓蒙すれば満足するっていうんだ?
今回の小籔千豊の人生会議のポスターが問題になったことで結果的に「人生会議」という言葉とその意味、そして話し合う機会が増えた気はします。結果的には。物凄く無難なポスターでしたらそれこそ4070万円かけて「人生会議」という言葉は全く広まらなかったでしょうしね。
ただ2件のクレームで回収をしたというのはどうなんだろうなと個人的には思います。その事で話題が更に持続したという側面はありますけど、すぐに引っ込めた姿勢を見ると厚生労働省自体が人生会議について真剣に考えていなかったのかな?という印象を受けてしまいます。その点は少し残念だったかなと。