映画監督として世界でも
評価されている是枝裕和。
2018年5月には
ついに「万引き家族」にて
第71回カンヌ国際映画祭で
日本人として21年ぶりに
最高賞であるパルムドールを受賞。
そんな是枝裕和監督は
自らの生い立ちの
ささやかなエピソードを
少し前の作品
「海よりもまだ深く」で
明かしています。
今回はそんな是枝裕和監督が
「海よりもまだ深く」に
込めた生い立ちの
エピソードなどについて
みてみましょう。
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■是枝裕和監督と「海よりもまだ深く」
カンヌ映画祭⓵到着後、仮眠して、深夜2時40分から撮影の近藤さんたちと明日の上映に向けての映写チェックをしました。会場が広いので音の広がり方、届き方がちょっと心配ですが、なんとか納得。 pic.twitter.com/laSPnYsV5m
— 是枝裕和 (@hkoreeda) May 13, 2018
是枝裕和監督は「誰も知らない」
「そして父になる」
「海街diary」、そして
「海よりもまだ深く」などと
家族をテーマにした作品が多い監督。
その中でも特に思い入れのあるのが
「海よりもまだ深く」。
もし是枝裕和監督がしんだ後に
神様やえんま様に
「お前は外界で何をしたんだ」
と言われたらまっさきに
「海よりもまだ深く」を見せると
まで言い切る作品。
公開日は2016年5月21日で
主演は阿部寛。
母親役は樹木希林。
今日は午後から『海よりもまだ深く』の公開へ向けた取材を受けています。チラシ出来上がりました。今回のアートワーク。撮影は川内倫子さん、デザインは葛西薫さんです。 pic.twitter.com/Fo4Y4OvOC0
— 是枝裕和 (@hkoreeda) March 15, 2016
脚本の一行目に「みんなが
なりたかった大人に
なれるわけじゃない」
という言葉を書いたことを
明かしています。
予告編はこちら。
「こんなはずじゃなかった」と
思っている人物と、
今は老朽化して高齢化も進んだ
団地とを重ね合わせた作品。
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■生い立ちが散りばめられていた
「海よりもまだ深く」という作品は
是枝裕和監督の生い立ちが
散りばめられています。
もともと是枝裕和監督は
平野の二軒長屋に住んでおり、
風呂は父親が割った薪を使い、
共同の井戸を使っていました。
そのようなこともあり是枝裕和監督は
団地に住むことになって
わくわくしたというのが原点。
そうして是枝裕和監督は
清瀬市の旭が丘団地に
9歳から28歳の頃までの
およそ20年間
団地に住んでいました。
そして撮影をしたのも
実際に住んでいた団地で
同じ間取りの3DK。
映画撮影時には当時の友人の
家族などが住んでいて
声をかけられることもあったとのこと。
是枝裕和監督の生い立ちで
実際にあったエピソードは
以下のように映画の中で
ちりばめられてもいます。
■台風が来る夜に
樹木希林が窓から楽しげに外を
見ているのも実際の母親の記憶。「(以前の家と比べて)
台風が来ても安心」
「台風来ないかな、
台風大好き」
と言っていた。■台風の夜に公園の
すべり台の下で
お菓子を食べた。■外出する際に鍵を
どこに置くかも実際と同じ。■主人公らが母のところに
泊まる事が決まると
母親が風呂場でハンドルを
ガチャコンガチャコンと
回して点火をする。これは実際に自分が
実家に泊まった時に
実家の風呂に入る、つまり泊まっていくことを
母親が喜んでいた
記憶があったため。
また、是枝裕和監督の父親も母親も
是枝裕和監督がこの仕事で
やっていけそうだということを
見る前になくなっているため
心配をかけたままだったとの
後悔もあり、間に合わなかったという
思いが強いという。
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■おわりに
ちなみに是枝裕和監督は
自らも「なりたかった大人」に
なれなかった人物だとしています。
是枝裕和監督が
なりたかった大人とは
「休日には家族を連れ
車でキャンプに行くお父さん」
だとしていますが
なれなかった理由については
以下の通り。
免許がない
テントが張れない
火が起こせない
そもそも料理もしない
また、前述のように
是枝裕和監督は
2018年5月に「万引き家族」で
カンヌ国際映画祭で
最高賞のパルムドールを受賞。
そのため「万引き家族」
への思い入れもかなり
強くなったと思うのですが
自分がなくなった後に
神様や閻魔様に見せる作品は
「万引き家族」と
「海よりもまだ深く」の
どちらになるのでしょうか。