KIMONOプロジェクトの乗っ取り騒動まとめ

なんだかんだと東京オリンピックの開会式が終わりました。賛否は色々とわかれていますが、その中で残念だと言われていたのが以前から言われていたKIMONOプロジェクトが結果的に不参加であったこと。

ではなぜKIMONOプロジェクトのKIMONOが使われなかったかというとなかなかに複雑な事情があります。創設者の髙倉慶応と現在の代表理事、手嶋信道が争っており、その内容から一部では乗っ取りでは?と言われてしまっています。

今回はKIMONOプロジェクトの創設者である髙倉慶応と現在の代表理事である手嶋信道が何故争っているかについてのまとめについてみてみましょう。

KIMONOプロジェクトについて

KIMONOプロジェクト

出典:KIMONOプロジェクトYoutubeチャンネル

KIMONOプロジェクトは2014年夏に始まった民間プロジェクト。祖父の代から続く呉服屋「蝶屋」の三代目社長である髙倉慶応が2020年東京五輪に向けて始めたものです。2021年7月には426点の着物が完成。どれを見ても美しく、これが開会式で使われていたら華やかだったであろうなぁ…という印象。

原点は2020年のオリンピックの開催地が東京に決まった時。単なる日本の着物ではなく、参加国の文化や歴史などを取り入れた着物を制作し、そんな人々が手をつないで輪を作る…ジョンレノンの「イマジン、ワンワールド」のようなものが理想であるとし制作を開始したもの。

そのような理念からKIMONOプロジェクトを推進するために名前をそれにあやかり一般社団法人イマジンワンワールドを設立。

ここで注意してほしいのが、あくまでもKIMONOプロジェクトは東京五輪で披露されるのを目指すコンセプトの民間プロジェクトであり、最初から衣装披露が確約されたプロジェクトではないという事。

そして2019年に髙倉慶応はKIMONOプロジェクトの代表を降り、手嶋信道にバトンタッチ。手嶋信道は公式サイトにて以下のようなやり取りがあって就任したとのこと。

ある時知人から高倉慶応を紹介され、このプロジェクトを知りました。
最初、知人からの電話では残念ながら、全く理解出来ませんでした。
しかし、衝撃が走ったのです。
実際に6枚のKIMONOを観て、一つ一つの解説と共に…。
直ぐに、行動が出来たら格好良かったんですが、7ヶ月後に高倉慶応の夢の扉にノックをしました。
高倉慶応は、何回も何回も聞き直し、このプロジェクトは非営利プロジェクトですよと…。
お着物詳しかったでしたっけ?と。
大丈夫です。
このプロジェクトは、着物を作るプロジェクトなんですか?
着物を作るプロジェクトではありません。
着物を使ってのプロジェクトなんです!

このバトンタッチの理由は髙倉慶応が蝶屋株式会社を経営していたので一般社団法人イマジンワンワールドの経営とは明確に分離したかった、というもの。

そのため髙倉慶応は手嶋信道の熱意を信じて代表理事に推薦。円満に運営を任したはずなのですが髙倉慶応のとある発信から乗っ取り疑惑では?と囁かれてしまいました。

乗っ取り疑惑についてなぜ話題に?

KIMONOプロジェクトが乗っ取りをされたのではと話題になったのはおよそ2回にわけてのタイミング。1度目は2021年4月18日、「KIMONOプロジェクトbyイマジンワンワールド」のfacebookアカウントにて明かされた4枚の画像。

こちらの内容を要約すると以下の通り。

  • 一般社団法人イマジンワンワールド設立の目的はKIMONOプロジェクトを推進運営するための受け皿。
  • KIMONOプロジェクトの主旨は着物文化の存在価値を再認識してもらうために「世界のKIMONOを創る」事で着物文化を次世代へ継承、発展の寄与。
  • 東京五輪の開会式での起用を最大の目標にしてきたが、2020年の年初には組織委員会から「開閉会式での起用はない」と正式に回答された。
  • しかし開閉会式以外にも世界へ発信する機会はあるのでアプローチを継続してきた。
  • それを早く説明したかったが当時は手嶋信道が代表であり彼の方針で説明する機会が無かった。
  • 手嶋信道が代表の時に多くの不信があり代表に不適格とし、2021年1月18日の理事会で手嶋信道を代表理事から解職。
  • 新たに八子由理子を代表理事に選任。2月27日の社員総会で理事からも解任、社員から除名した。
  • しかし手嶋信道は八子由理子が代表理事に就任した理事会の手続きに異を唱えてその結果八子由理子が代表理事でないことを仮に認める決定が下された。
  • そして手嶋信道は代表理事の承認で社員が増やせるという規定を用いて社員を急増させた。
  • 2021年4月15日に社員総会を開催して理事を入れ替える決議をした。

こちらの内容を信じるのなら髙倉慶応の方が筋が通っているように見えます。手嶋信道の考えも聞いてみたいところですが、イマジンワンワールドの公式サイトから飛べるツイッター、インスタアカウントは何故か削除済み。

それらしきアカウントはあるので単にリンクミスの可能性もありますが、こちらの件についてはかかれていません。

手嶋信道の公式表明はSNSではなくFacebookで告発を受けた同日、2021年4月18日の【お知らせ】の以下の通り。

今般、当社団について不審なメールやSNS投稿が発信されている事実が確認されました。

前代表の高倉慶応、前理事の八子由理子らにつきましては調査し、当社団への被害の拡大防止に努めております。併せて、事務局の清水おり恵も業務委託を解除いたしました。

代表理事につきましては手嶋信道に変更はございません。

当社団の銀行口座は、代表理事の手嶋が既に凍結の手続きをし、資金を保全しております。

また、皆様の想いを乗せたKIMONO 213着の安全確保のため、蝶屋株式会社に委託しておりました着物管理の業務委託を解除しております。KIMONOは直ちに当社団に返却するよう、蝶屋株式会社に指示しております。

皆さまには多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことを心より深くお詫び申し上げます。

今後も、当社団の適正な運営に尽力して参ります。

開会式の時に再び話題に

そうして2021年7月23日、東京五輪の開会式の際にKIMONOプロジェクトに関わった人が上記のようにツイートをしたために再び話題に。また、この日に手嶋信道は公式サイトにて以下のように書いています(一部抜粋)。

 私どもはKIMONOを蝶屋株式会社に保管を依頼していましたが、令和3年4月、蝶屋株式会社との契約を解除し、KIMONOの返還を求めました。しかし、 蝶屋株式会社は返還を拒絶しました。私どもは蝶屋株式会社とはTOKYO2020開幕ギリギリまで交渉して参りましたが、 合意に至りませんでした。そのため、私どもは開会式にKIMONOを提供できませんでした。

 組織委員会の方には、TOKYO2020開幕3日前という間際までご検討いただきましたことについて、橋本聖子会長に心より感謝申し上げます。

 これまでご支援いただきました皆様の夢のひとつ、「TOKYO2020開会式」でのお披露目が実現できないというご報告をしなければならないことは、悔しさが募るばかりです。皆様には当法人を代表して、心よりお詫び申し上げます。

こちらに出ている「蝶屋株式会社」というのは髙倉慶応が経営する呉服屋。上記だけを見るとまるで髙倉慶応が着物を渡さなかったから開会式に着物が日の目を見ることはなかった、と言っているようにとれます。

しかし前述の髙倉慶応の主張が正しいとするとそもそも2020年2月に開会式で使うことはないと組織委員会から正式に回答をされていたこと、そしてそれを発表しなかったのは手嶋信道の方針だということで、微妙に矛盾が…。

2021年5月にも髙倉慶応が告発

また、実は2021年5月にも髙倉慶応は手嶋信道に向けて告発をfacebookにてしています。

こちらの内容は主に以下の通り。

  • 2021年5月7日に臨時社員総会が開かれる。
  • 40人を新規に雇い、数の力で3分の2の勢力を確保し創設時の社員7名をクビにする。
  • 社団の目的である「日本の伝統文化」という部分を消す。

確かにこちらを見ると創設時のメンバーをクビにした上で日本の伝統文化の発展などの部分を消すのは乗っ取りと言われても仕方ない気が…。

ちなみにKIMONOプロジェクトbyイマジンワンワールドのFacebookアカウントは「ファウンダー・髙倉慶応」、「代表理事・八子由理子」となっておりこちらは髙倉慶応側の発信源となっています。

KIMONOプロジェクトbyイマジンワンワールドのFacebookアカウントは争いが始まってから作られたわけではなく前々から使っていたアカウント。そのためどのアカウントがどちらの立場からの発言なのかかなりわかりにくいですね。

追記

手嶋信道が今回の騒動について直接的には声明を発表はしていないものの、遠回しに反論をしました。内容としては髙倉慶応が代表理事でなくなったのは不祥事であったという点を主張した形になりますね。

手嶋信道(KIMONOプロジェクト)の経歴は元アシックス!高倉慶応に反論
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おわりに

前述の「開会式で…この入場行進で、私たちが制作した207ケ国の振袖が披露されるはずだったのに…」というツイートがかなりバズった事、今までの組織委員会の行動から「組織委員会が何かしでかして急遽取りやめたのか?」と思ってしまった人が多いのですが、これに関しては2020年2月時点で使わないと正式回答済み。

また、それに加えてKIMONOプロジェクトの公式サイトを見ると前述のように「蝶屋株式会社からKIMONOの返還を求めたが拒絶された、そのため開会式にKIMONOを提供できなかった」というような文面があったのも原因。

重要なことなのでこちらも再び強調しますが、元から使用が確約されているプロジェクトではないので蝶屋株式会社が渋ったから開会式で使えなかったというわけではありません。それに加えて前代表の髙倉慶応と現在の代表である手嶋信道が争っている最中であるので資産である着物が動かせないというだけとも取れます。

今の所は社員総会の通知書などを見る限り髙倉慶応側の言い分が正しそうに感じますね…。また、実際にクビにされてしまったカメラマンも怒りの投稿。

手嶋信道サイドはKIMONOプロジェクトの公式サイトで「不審なメールやSNS投稿が発信されている」としか語っていません。具体的な反論を聞きたいところですが…。

  1. とても平等で、真実を追った形の文面だと思います。
    このプロジェクトに賛同し、それぞれ可能な限りのお手伝いを行ってきたスタッフさん達や、各国の着物、帯を日本の素晴らしい技術で制作してくださった関係者の方々への冒涜を手嶋という人は行っています。
    もちろん手嶋氏1人の力ではここまでの乗っ取りは出来ておりません。
    バックに彼を操る人間もいます。

    このトラブルが1日も早く解決していく事を願うばかりです。