レコード大賞がパプリカ(Foorin)に!しかし選考基準に忖度の影?

音楽

第61回日本レコード大賞がようやく決まりました。大方の予想通り、Foorinのパプリカ。しかしパプリカの選考基準には物議を醸しています。それは単純に、パプリカは厳密に言うと選考されるべきではない楽曲であるからです。理由は単純明快、発売(発表)時期の関係です。

第61回日本レコード大賞がパプリカに

出典:Foorinツイッター

2019年12月30日に行われた第61回日本レコード大賞の最終審査。新国立劇場で行われて5人組の子供ユニットであるFoorinが見事パプリカで大賞を初受賞しました。これは平均年齢11.2歳の史上最年少での大賞受賞。まさに令和、新世代を担う人材であるということになります。

ただし義務教育期間であり20時までしか労働できないため5人は現場におらず。電話で喜びの声を伝えるにとどまりました。Foorinの第61回日本レコード大賞には祝福の声がある一方で疑問の声も…。

選考基準を満たしていない

そもそも第61回日本レコード大賞の選考基準は2018年10月以降発表の音楽が対象。ではパプリカはいつ発売されたものかといわれると2018年8月にCD、先行配信されたものです。つまり第61回日本レコード大賞の選考基準を満たしていません。こちらのYoutubeを見てもわかるように配信日は2018年8月になっています。

このように厳密に言うとパプリカは2019年の第61回日本レコード大賞の選考対象外になります。確かに話題になったのは2019年ですがルールを厳密に適用するとおかしい。

Foorinがパプリカで受賞に忖度の影

では何故Foorinが第61回日本レコード大賞でパプリカを受賞したか。それにはやはり忖度の影が…。まずここ最近の日本レコード大賞の受賞曲についてみてみましょう。

  • 2008:EXILE(Ti Amo)
  • 2009:EXILE(Someday)
  • 2010:EXILE(I Wish For You)
  • 2011:AKB48(フライングゲット)
  • 2012:AKB48(真夏のSounds good!)
  • 2013:EXILE(EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~)
  • 2014:三代目J Soul Brothers(R.Y.U.S.E.I.)
  • 2015:三代目J Soul Brothers(Unfair World)
  • 2016:西野カナ(あなたの好きなところ)
  • 2017:乃木坂46(インフルエンサー)
  • 2018:乃木坂46(シンクロニシティ)

このようにここ最近はEXILE系列とAKB、坂道系列ばかりがレコード大賞を受賞。特に2018年度にはDA PUMPのU.S.Aがメガヒット。そして大賞候補に選ばれたものの、外国曲のカバーなので規定を無視していると異論が噴出しました。実際にレコード大賞には選ばれず。

この時に「カバーだから大賞は無いだろう」「でも候補に選ばれているということは万が一もありうる?」という期待もあり乃木坂がレコード大賞を受賞したもののDA PUMPがトレンド上位になるなど多くの人は納得が行かず。

また、少し前には文春によりレコード大賞が1億円で決定していたというスキャンダルもありレコード大賞の権威は失墜気味でもありました。そのようなこともあり2019年はなんとか支持の得られる楽曲を選ばないといけないという状況。そこで選ばれたのがFoorinのパプリカであるということに。

…特に米津玄師はここ最近の超弩級のヒットメーカー。2019年の紅白に出るかどうかが注目されていました。結局2019年は「嵐と米津玄師のドキュメント」というコーナーで嵐と米津玄師のコラボのNHK2020ソング「カイト」の対話をVTRで紹介するという形での出演のみで歌唱シーンはなし。

ラグビーワールドカップもあったことなどから話題になったドラマ「ノーサイドゲーム」の主題歌「馬と鹿」も歌ったりと米津玄師は2019年も注目をされており、米津玄師が関わっているものが上位に無ければレコード大賞の権威も何もない状態。

そのため2018年8月発表と少し時期がアウトではあるものの、米津玄師が関わり、平均年齢の低いFoorinが歌い、踊っているパプリカを第61回日本レコード大賞に受賞させることで失墜しかかっていたレコード大賞の権威性を復活させようという意図が働いているものかと思われます。

パプリカの第61回日本レコード大賞受賞に対するネットの反応

今年売れた曲をえらぶっていうなら納得。
また坂道とかだと思ってたけどパプリカで良かった
妥当な選択だと思う、子供にも流行ってたみたいだしね
発売自体は去年だけど話題性はあったし知ってる人も多いし良いね
乃木坂の3連覇だと思ってたけどびっくりだ
やっと秋元康からの脱却か!レコ大といえば昔は知ってる曲なのに最近は知らない曲ばっかりだから嬉しかった
ここ最近では一番納得の受賞。来年以降もこうなら良いけどね
パプリカはニュースなどでも特集されていて、子供が音楽を聞いたら教えてもないのに踊る、というネタで特集されていたり「ヨナ抜き音階だから日本人の郷愁に語りかける」というネタが何度も特集されていたので一番2019年の歌という感じがするのは確かだとおもいます。
ただ、2018年10月以降発表の曲というルールがあるのでしたらそれを守らないと今後のレコード大賞の権威にも影響する気がしますが…。特に今回はそのようなルール無視はどうなのかとの批判をするとFoorinの子どもたちの喜びに水を指すのか!との批判があるわけで。批判のしづらい空気になってるのはどうなんだろうなと。
今年一番話題になったから特例というのを許すのなら2018年のDA PUMPのU.S.Aは何故ダメだったのか?となりますしね。密室で決まっている感が強すぎるのでどのように決まったかをもう少しオープンにして欲しい気はします。
一応過去の大賞基準では「上記以前の発売ではあっても、審査期間内に顕著な売上、影響を示したレコードは、選考の対象とする」という文面もありますが、その顕著な売上というものは具体性が一切なく審査員次第。明確な基準を設け、その文面も大きく前面に出せば文句もでないとは思います。
なぜかと言うと、今のルールでの一応期間は決めているものの「顕著な売上」があるならOKということなら審査員の気に入らない曲なら「期間外だからダメ」。審査員の気に入る曲なら「顕著な売上があるからOK」と審査員の気持ち次第でどうにでもなるルールなんですよ。それを阻止するには明確な基準があるべきで、日付が厳密に守られているのならばそれで良かったはずなわけです。
個人的に米津玄師はハチ時代から好きでパプリカもFoorinバージョン、米津玄師バージョンも好きなんですけどなんだか色々な意図が感じられてモヤッとするんですよね。