「結婚=1対1の恋愛と誓い」という価値観が揺らぎつつある現代、話題に上がるのが「オープンマリッジ」です。互いの合意のもと配偶者以外との恋愛・性的関係を認めるこの関係形態。日本でもメディアに登場し、有名人の発言も波紋を呼んでいます。
今回はオープンマリッジとは何か、ルールや公言している芸能人・有名人について調査しました。
オープンマリッジとは?
オープンマリッジとは法的な結婚関係を維持しながら、夫婦双方またはどちらか一方が配偶者以外との恋愛・性的関係を合意のもとに認め合う関係性を指します。
つまり「結婚=排他的な関係」という前提を覆し、夫婦間で「他者を含んだ関係性を許容する」という新しい選択肢です。
このようなスタイルを選択する背景には、価値観の多様化、性的・恋愛的な自由への志向、長期間の結婚生活におけるマンネリ化などが挙げられます。
一方で「浮気を公認する」「信頼が壊れるリスクがある」といった批判・懸念も根強く存在しているのが現状です。
メリット
オープンマリッジのメリットについてまとめました。
- 互いに自由度を持つことで、性的・恋愛的な欲求を抑え込まず表現できる。
- 長期結婚において、初心の維持やマンネリ打破の手段になる可能性。
- 嘘や隠し事をなくすことで、コミュニケーションが促進されるという声も。
デメリット・リスク
オープンマリッジのデメリットやリスクについてまとめました。
- 嫉妬、不安、競争心などの感情的摩擦が増える。
- ルールや境界が曖昧だと「ただの浮気」になりかねない。
- 子どもや社会的な視線、法制度とのギャップによる葛藤。
実際、当事者が体験を語る掲示板では深刻な離婚や感情の変化を語る声も。
オープンマリッジにルールは必要?
オープンマリッジを成立かつ継続させるためには、明確なルールと合意が不可欠と多くの専門家が指摘しており、以下がよく挙げられる重要ポイントです。
基本的ルール例
オープンマリッジをするにあたっての基本的なルール例についてまとめました。
- 他者との関係を持つ場合の「範囲(何を認めるか)」。例えば「性的関係のみ・恋愛感情も含む」など。
- 「時間と頻度」の取り決め。昔ながらの結婚生活を維持するために、どの程度まで外部との関係を許容するか。
- 「誰との関係か」の透明性。夫婦どちらが、どのような相手と、いつ・どこで会うかを共有するか。
- 「家に連れてこない」「子どもの前では会わない」などの境界設定。
- セーファーセックスや健康管理、法律・社会的義務への配慮。
契約書・書面化の事例
海外では、オープンマリッジにあたって「関係契約書(relationship agreement)」を交わすカップルもいます。
例えば、アメリカのリアリティ番組でカップルが「書面によるルール明記」を行った事案がありました。このように「合意」と「明確化」が感情的混乱を減らすための鍵と考えられています。
日本での議論と現実
日本では、オープンマリッジ自体が一般的な認知を得ておらず、法制度や社会通念も従来の結婚観を前提としているため、実践にあたっての制度的・心理的障壁が高いと言えます。
実際テレビ番組でもこのテーマが取り上げられ、議論されています。こうした背景から「ルールが曖昧だったため破綻した」「理論と実態のギャップ」という声も散見されます。
オープンマリッジを公言している芸能人は?
オープンマリッジを公言している有名人は日本ではまだかなり少ないですが、海外では昔から一定数います。しかし、最終的にうまくいかないケースがほとんどのようです。
芸能人や有名人がオープンマリッジを語る背景には、影響力を活かして「結婚観を刷新したい」「従来型の夫婦像に縛られたくない」といった姿勢が見られます。
しかし、炎上や批判に至るケースも多く「発言」と「実践」「世間の理解」とのギャップが露呈しているようです。
以下で、オープンマリッジを公言している芸能人をご紹介します。
①ヒカル(Youtuber)
2025年9月、自身のSNS・動画において「オープンマリッジ宣言」を行い大炎上しました。「配偶者以外との性交渉や恋愛関係を認め合う」と明言。その発言では「ハーレムの一番に妻をしたい」「他はOK」との表現もあったとして、批判を集めています。
出典元:ヒカル(Hikaru)
一方で盟友YouTuberからは「彼の宣言は正しい選択の可能性もある」との擁護も。
②Kabir Bedi(インド系俳優)
1970年代に最初の結婚で「オープンマリッジに近い関係」を試みたと語っています。結果的には「自由恋愛を願ったが、うまくいかなかった」と明かしています。
③Mo’Nique(アメリカ女優/コメディアン)
かつてオープンマリッジ的な関係を公に語っていましたが、後にその関係から「クローズド(閉じた婚姻形態)」に戻る決断をしています。
④Lily Allen(イギリス歌手)
2025年10月にリリースしたアルバムで、元夫のDavid Harbourとの「4年のオープン婚姻」中の浮気・約束違反を強く暗示し話題に。
「オープン婚だったが、合意を破られた」と感じた彼女の言葉が多くの議論を呼びました。
日本でのオープンマリッジをめぐる議論
日本では、2024年の不倫調査で「日本人男性の2人に1人、女性の4人に1人が不倫経験あり」とのデータが提示され、結婚・恋愛の在り方が見直されています。
その中で、テレビ番組にてオープンマリッジに「合意のもとで不倫を認める形」として家庭に潜入調査を行ったケースも報じられました。
しかし「合意があっても子どもの影響」「社会的な理解」「法制度の対応」が追いついておらず、実践には慎重さが伴うのが大きな問題です。
法制度・契約書・慰謝料の側面
オープンマリッジ自体を法的に保護する仕組みは、現在の日本には整備されていません。仮に合意があったとしても、配偶者以外との関係が原因で離婚や不貞責任に発展した場合、従来の法律・判例は「一夫一婦制・配偶者の排他的権利」の前提で判断されます。
そのため、オープンマリッジを実践する夫婦の中には「ルールを書面化」「第三者との関係が破綻したときのルールを決めておこう」といった契約書を作るケースも。
しかし契約書が法的効力を持つわけではなく、合意後の実際の運用・感情の変化・社会的圧力が問題となります。
まとめ
ここまで、オープンマリッジとはどのようなものなのかご紹介しました。
オープンマリッジとは、従来の結婚観を超えた「合意に基づく複数関係の許容」という新たな選択肢です。しかし、実践には明確なルール設定・双方の深い信頼・社会的理解が必要でしょう。
有名人の発言によって注目された今「結婚」について改めて考える時が来たのかもしれません。









