連日のように報じられている「桜を見る会」。安倍昭恵夫人枠があるということを文春砲が報じており波紋が広がっています。桜を見る会は安倍首相の答弁も二転三転。そこへ来て今度はまさかの安倍昭恵夫人枠が確定。
今までの「桜を見る会」についてはかろうじて致命的な問題と言えるような内容ではありませんでした。それこそ安倍首相以前に行われていた過去の「桜を見る会」については追及をしている野党側にも疑問があったわけですし。
しかし文春砲により発覚、確定した安倍昭恵夫人枠は今回の「桜を見る会」問題にトドメとなりかねない致命的なものです。今回は「桜を見る会」の安倍昭恵夫人枠を文春砲が暴露してどのような結果になるかについてみてみましょう。[affi id=4]
「桜を見る会」は何故批判されるのか
「桜を見る会」は内閣総理大臣主催のものであり安倍首相固有のものではありません。では何故このタイミングで批判されたのでしょうか。それは様々な要因が重なったためです。
もともと「桜を見る会」とは功労のあった人物を招いて日頃の労苦を慰労するのが目的でした。しかし招待客の基準が不透明であり、いくらでも招待客の取捨選択の余地はありました。
そして安倍首相は2013年から2019年まで毎年「桜を見る会」を開催。2010年に鳩山由紀夫元首相が開催をした時は出席者は10,000人ですが2013年に安倍首相が「桜を見る会」を開催した時には12,000人。それ以降は年に500人から1,000人のペースで増えていき、2019年の「桜を見る会」は18,200の出席者と招待人数が膨れ上がっているのがわかります。
そして予算も1,766万円と計上されていますが実際の支出額は約3,000万から約5,500万と最終的には予算の3倍に膨張しています。そのため「桜を見る会」は「安倍晋三首相の、安倍晋三首相による、安倍晋三首相のための会」であると実は「桜を見る会」が終わって少しした5月時点で一部では既に批判されていました。[affi id=4]
「桜を見る会」が連日報じられるきっかけ
「桜を見る会」関連で野党が攻勢を強めたのは11月8日の事。共産党の田村智子議員が「桜を見る会」の予算の増加、招待客の基準が明確でないため事実上の接待と化しているのではないかという指摘がなされました。その時の動画がこちら。ワイドショーなどでも度々見かける映像です。
「桜を見る会」の問題については共産党が主に攻めています。かつて政権をとったことのある立憲民主党(民主党)は比較的おとなしめ。これは民主党政権時代にも「桜を見る会」を開催していたのが影響をしていると推測されます。下手に何か指摘してブーメランになるのは避けたいところですしね。
安倍晋三首相の招待枠疑惑が追及される
「桜を見る会」は謎の選考基準により招待客が増加。では増加した招待客はどのような選考基準があるのかということに焦点が当てられました。そして当初指摘されていたのが安倍晋三首相の支援者を呼んでいるのではないかという疑惑。
実際に安倍晋三首相の地元である山口県の出身者はブログにて「桜を見る会」の招待について以下のような記述が存在していました。現在は削除済み。
■下関市選出の友田保・山口県議の2014年5月1日号記事
「4月12日に安倍首相が主催する『桜を見る会』に行って参りました」
「今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました」
「(桜を見る会の前夜祭で)下関市・長門市そして山口県内からの招待客400人による安倍首相夫婦を囲んだ盛大なパーティーが開かれました」
「今後もずっと『桜を見る会』に下関の皆さんを招いていただきたい」■当時・山口県議、現・周南市長の藤井律子氏の2018年5月8日付記事
「片山さつき先生とも久しぶりに再会を果たしました。『今日は、山口県からたくさんの人が来てくださっているわね~。10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ!』といつものように元気よくお声をかけていただきました」
藤井律子山口県周南市長が、本日の参院予算委で安倍首相主催の桜を見る会に関する田村智子議員の質疑に自身のブログが使われたことを受けてか、関連するブログ記事をことごとく削除。というわけで、消すと増える法則が発動しますw pic.twitter.com/1fxugE1hNE
— GEISTE (@J_geiste) November 8, 2019
ちなみに削除理由については「騒動に巻き込まれるのは嫌」という理由であったとしています。
安倍昭恵夫人枠が文春砲により確定する
このように「桜を見る会」は安倍晋三首相と縁の深い(=支持基盤)人物やグループが招かれているという説は有力に。そして実際にどのような功績を残したか分からないものの安倍昭恵夫人と親しい人物、もしくは関係者が「桜を見る会」に出席していたことが話題になり安倍昭恵夫人枠があるのではという話が実しやかに囁かれるように。
実際に安倍昭恵夫人とつながりのあった会社役員の男性は「安倍昭恵さん、お招きありがとうございました!」と安倍昭恵夫人枠を匂わせるお礼をFacebookにて投稿。その画像が以下の通りとなります(現在は削除済み)
上記画像にも書かれていますが文春砲やその他のSNSでの情報によると安倍昭恵夫人枠で招待されて現在判明しているのは以下の通り。
- UZUの学校の関係者(安倍昭恵夫人が校長)。
- 安倍昭恵夫人が名誉会長のスキーイベント実行委員。
- 趣味の酒造仲間。
- 安倍昭恵夫人枠の聖心時代の同級生。
- ヒーリングフード提唱者。
- 大麻解禁論者。
- スピリアチュアリスト。
- 映画プロデューサーの龍村ゆかり。
とはいえ「桜を見る会」の選考基準は不明だったので安倍昭恵夫人枠というのはあくまでも状況証拠的なものでした。しかし文春砲により文春の記者が安倍昭恵夫人に直撃した結果、「こういう人たちが色々と活躍しているのでどうですかという案を何人か出させて貰っている」として安倍昭恵夫人枠があることを事実上認めた形になりました。
文春の直撃取材を受けて安倍昭恵夫人枠があることを認めたためか11月20日には安倍晋三首相本人も「事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともあった」などと全く関わっていないというスタンスから軌道修正。
安倍晋三首相のこの答弁は安倍昭恵夫人枠も同様のものであると強調し、積極的に関わっていないということを印象づけたかったものだと思われます。
安倍昭恵夫人枠の招待枠で最も多く携わっているのは安倍昭恵夫人本人が関わった和食居酒屋UZU、山口県下関市のゲストハウス「Uzuhouse」などいわゆる各地のUZU人脈。[affi id=4]
そもそもUZUの学校とは
ではそもそも安倍昭恵夫人がここまでこだわる「UZU」とはなんなのか。実はUZUは日本神話の女神、アメノウズメが由来。
UZUの学校を始めたのは居酒屋UZUがきっかけ。UZUは2012年に安倍昭恵夫人が安倍晋三首相に内緒で開店準備。実はこの居酒屋の自体が山口県出身者が集い山口に帰ったような気分になれる場所を作りたいという思いが原点。
そうして居酒屋UZUを初めて「女性同士が自由に意見交換できる場」をもっと広めたくなり、学校という形をとったのが講座型スクールのUZUの学校。そんなUZUの学校の開校式は2014年7月13日、IID世田谷ものづくり学校にて。開校式に参加をしたのは以下の通りのメンバー。
■パネリスト
安倍昭恵:UZUの学校校長
森浩美:作詞家
仁禮彩香:女子高生CEO/GLOPATH社長
松田悠介:NPO法人Teach for Japan代表
品川裕香:教育ジャーナリスト
林真理子:作家
古市憲寿:社会学者
秋沢淳子:TBSアナウンサー■モデレーター
米良はるか:READYFOR?代表
小川和也:グランドデザイン&カンパニー代表
UZUの開校式にパネリストとして参加をした仁禮彩香は実際に「桜を見る会」に出席したことをツイッターで報告しています。
平成最後の桜を見る会に行きました🌸 お花見って平和な行事ですよね。
令和にもその先にも、今日みたいにふわふわの八重桜が当たり前に咲いていて、その下でお団子を食べて笑いあえる世界がありますように🍡 #桜を見る会https://t.co/cZxEwHgu69 pic.twitter.com/wOAKPnzZiB— Ayaka Nirei (仁禮 彩香) (@ayakatimeleaper) April 13, 2019
他にもUZUの学校の講師の縁で「桜を見る会」に招待されたと語る人も。
私人 #安倍昭恵 がお友達を「桜を見る会」に多数招待している模様。私人による行政私物化という重大疑惑です。
「今年1月に昭恵夫人が主催するUZUの学校のロリータファッションの講師をさせて頂いたのがきっかけで、今回ご招待頂きました」って、完全に昭恵のお友達優遇でしょ。恐るべき私人権力!! pic.twitter.com/OfCYnXUkcn— HOM55 (@HON5437) November 10, 2019
ちなみに古市憲寿は安倍昭恵夫人枠かは不明ですが「桜を見る会」に招待をされているものの「朝が早くて行けたことがない」と16年に答えてもいます。[affi id=4]
安倍昭恵夫人枠に関するネットの反応
今回の「桜を見る会」に安倍昭恵夫人枠があるというのはあまり驚くようなことではないという見方も多々あります。ここまで「桜を見る会」の問題が大きくなり、ようやくブログなども削除され始めていますのでそもそも何の問題も無いと思っていた可能性が高いかと。
現在もまだ削除されず、安倍昭恵夫人枠での招待で参加したという本人の報告も残っていますしね。安倍昭恵夫人枠は野党にとっては絶好の攻撃の機会。
他の「桜を見る会」の疑惑についてはブーメランになりかねませんでしたが、「私人である安倍昭恵夫人の招待枠」はさすがにブーメランになるとは考えづらい。今回の文春砲による安倍昭恵夫人枠についてのネットの反応は以下の通りとなります。
- 内閣府に招待者を推薦出来る「私人」って。森友問題では追及から逃れるために昭恵夫人は「私人」になりましたが、内閣府は「公人」だと思っていたのでしょうか?
- 飲食の依頼をしている会社と仲が良い。となると税金のほとんどがそちらに流れてしまいますが、その明細は出さないでしょう。出すとこの前の森友学園に近い事になりそうです。
- 昭恵さんは確か、森友の時に「私人」と言ってました。都合のいい時だけ「公人」になるのですね。この人の行動には、品が感じられない。
- なんで私人のアキエさんに枠があるんでしょうね
- 何れにしても今までの慣例に加えて、とめどもなく年々拡大していくのが問題。どうでも良い人まで招待し過ぎ。
- 知ってた。自分の同級生が何年か前に参加していたから。そいつは夫人とは仲が良いが総理とは面識なかったはずなのでね
- 正直この件だけに限らず昭恵氏がまるで皇后さまみたいにふるまってるのに違和感を感じる。ファーストレディになりたいのかねえと。役職があるわけでもなく単なる総理の夫人なだけだからあまり前に出るべきではないと思う
安倍晋三首相の「桜を見る会」に関してはまだ擁護の声も多かった印象ですが安倍昭恵夫人に対しては厳しい声ばかり。今回の文春砲でも安倍昭恵夫人が確定しなければもう少し流れは変わっていた印象を実際に受けますし、安倍晋三首相は安倍昭恵夫人をもう少しコントロールしないと行けない気がします。